UTエイムが7月より半導体エンジニアの人事制度を導入!E-Pro制度設計ストーリー~制度運用開始までの物語を聞いてきました~
UTエイムでは半導体エンジニア一人ひとりのスキルの可視化をし、適正な評価を実現するための「E-Pro制度」が7月より本格運用されています。この制度については、今期4月からマネージャーに向けた制度説明会が実施され、6月からは各拠点の技術職社員への制度説明会を進めています。
今回、なぜE-pro制度がつくられたのか、制度設計においての苦労や制度に込められた想いなど、お聞きしました。
E-Pro制度(エンジニア・プロフェッショナル制度)とは?
セミコンダクター事業部の技術職社員を対象とした、半導体エンジニアの等級別スキル連動型人事制度。UTエイム独自の等級・評価・賃金テーブルを用い、顧客企業と共に派遣エンジニアのキャリア形成や給与アップを実現する制度です。6つの職種コース6段階の等級があり、顧客企業と共に個人の業務レベルを可視化でき、等級に応じて給与・処遇に反映される制度です。
【今回お話を聞いた方】
E-Pro制度がつくられた理由
E-Pro制度がつくられた理由には、半導体エンジニア育成施設「テクノロジー能力開発センター」が設立された経緯と関連がありました。「お客様からはエンジニア育成と定着率の向上が求められるなか、エンジニアを評価する制度がなかったのです」と語るのは、小久保さん。当時を振り返っていただきました。
―――(小久保さん)話は5年前に遡ります。当時、半導体業界はスマートフォンやノートパソコン、自動車の販売数が減少していたものの、今後成長が見込まれていた業界でした。その頃のお客様の課題は、エンジニアの育成。工場の省人化が少しずつ進み、どのお客様もエンジニア人材の必要性を感じていました。特に、古くからお取引のある複数のお客様からは「エンジニア教育がなされた人材を配属して欲しい」と要望を受けていました。20年以上付き合いのあるお客様には「配属前に、他社の教育施設を利用することも検討して欲しい」とまで言われましたね。そんな背景から、2020年、要望があったお客様先の工場がある岩手県北上市にテクノロジー能力開発センター(以下・テクセンと表記)を設立。UTとしては、配属だけでなく、エンジニア育成に注力するようになったのです。
しかし、育成をした人材を配属するだけではなく、定着率の向上も目指さなければいけない。そのためには、エンジニアを評価する制度の構築が必要でした。というのも、当時のエンジニアの処遇は、評価やスキルに応じた設定になっていなかったのです。実は、これまで1年に1度の定期昇給という形で、お客様へ単価アップの交渉をするというUTテクノロジー(設計開発エンジニアを中心とした派遣・請負サービスを展開していた、旧UTグループの事業会社)の交渉スタイルが継承されていて、個人のスキルに応じた交渉がされていなかったのです。また、UTにもお客様先にもエンジニアの評価基準がなかったことも原因の一つでした。
それだけではなく、お客様先と配属先地域で給与のばらつきも生じていました。同じお客様であっても、工場によって給与が異なる。「全国で統一された給与が支払われるようにしたい」「UTエイムの武器となる制度をつくり、その武器をもってしてお客様に交渉し、技術職社員の給与を上げたい」そんな想いを持ちました。2022年から制度の大枠の構想はありましたが、2023年2月頃から本格的な制度設計が始まったのです。
運用開始前に出てきた、思わぬ課題
2023年4月からE-Pro制度の運用開始を予定していましたが、しかし、想定外の課題が見つかったのです。それは、技術職社員のエンジニアスキルの見極めができる管理者が少ないということでした。
―――(櫻木さん)想定スケジュールから運用開始を遅らせたのは、技術職社員の等級を現場で決めることが難しいと判断したためです。決して、管理者の方は何も悪くありません。管理者の方からすると、ご本人がエンジニア出身でもなく、過去にエンジニアのスキルを仕分けるということをしたことがないので、難しくて当然ですよね。しかし、技術職社員のみなさんがエンジニアとして何ができて、どこの等級に該当するか、それを見極められなければ運用は開始できなかったのです。
そこで、管理者が技術職社員の個別契約書を見て判断できるように、等級に応じたキーワードを設定しました。「このキーワードがあればこの等級に該当します」という目安を提示したのです。しかし、管理者と技術職社員ご本人からの申告を確認すると、こちらの提示内容と乖離が生じていました。契約書を見て判断を仰ぐことにも限界があり、そこで、テクセントレーナーの方々に見極めが難しい拠点の等級格付けを手伝っていただくことになったのです。こういった想定外のプロセスに時間がかかり、運用開始スケジュールを遅らせざるをえませんでした。今年7月より運用開始ができるようになりましたが、制度としては走り出したところ。2022年から約1年半かけて進めてきましたが、今やっとスタート地点に立ったと思っています。
E-Pro制度に込めた想い
インタビューの最後には、E-Pro制度に対してどのような想いが込められているのか、改めてお二人に伺いました。
―――(櫻木さん)E-Pro制度を通じて、UTエイムの事業拡大に貢献したいという想いがあります。過去は毎年恒例の単価交渉だったと思いますが、この制度によって個人のスキルが可視化されるようになります。「UTエイムの武器をもってして、給与アップの交渉をしたい」。これが管理者の方に共通する願いであり、想いだったと捉えています。E-Pro制度はお客様を巻き込んでこその制度になりますので、まだまだこれからですが、ようやく今期スタートを切ることができました。技術職社員のみなさんがスキルや技能に応じて給与アップできて、UTエイムの事業拡大に貢献したい。そんな世界を目指すために、今後もみなさんとE-Pro制度をつくり上げていきます。
―――(小久保さん)まず、私が伝えたいのは、技術職社員がいるからこそ、自分たちがイキイキとはたらけていると思っているということです。だからこそ、「給料を上げたい」という技術職社員の声を実現したい。その一心です。そして、その可能性を秘めているのが、このE-Pro制度。「技術職社員の方にこのチャンスをつかんで欲しい」その想いで制度をつくりました。技術職社員へE-Pro制度を活用した給与アップが実現できることを伝えていきたい。そして、技術職社員へ自分自身でつかみたいと思える未来をみせたいです。
いかがだったでしょうか?
E-pro制度を利用し、スキルアップすることでより良いキャリアを描くことができます。
興味を持った方は、ぜひUTグループにご応募ください!